笛を吹く島、生まれは福島。

Atsuko Shima

社会人/フルート

フォイヤーに入ったきっかけは?

高校の部活の同級生のお姉さんがフォイヤーの団員だったんです。その繋がりで新歓演奏会に誘ってもらいました。
団員がお揃いのTシャツを着ていて、そのカジュアルな雰囲気が意外で親しみを感じました。なんかオーケストラってお高く留まってるイメージないですか?(笑)
そして一番印象に残っているのが、R.シュトラウスのオーボエ協奏曲!ソロはオーボエとクラリネットで分担していたのですが、そのどちらも私がそれまで出会ったことのない楽器のような、キラキラした音を奏ででいました。演奏中ずっとドキドキワクワクが止まりませんでした。
あと、クラのソリストが女子の先輩だったんですけど、スタイル抜群の上にブルーのドレスを着ていたんです。目に見える雰囲気も素敵だし、演奏も楽しいし、もう眩しすぎて、福島の田舎から出てきたばかりの私はイチコロでした(笑)

自分はどんな人だと思う?

周りに流されやすい。流されたい波は選ぶようにしています。

■ 他の団員からみた「島ちゃん」

「たまに団員同士で料理を作ってお家パーティをするんですが、島ちゃんは米を炊くのが恐ろしくうまい。どんな米でも、極上の艶と甘みのあるご飯に炊き上げます。米を研ぐときに指先から魔法の成分が出ているのではないかと思うほど。」
(ファゴット/社会人/女)

キャラクター・動物などに例えると?

「島ちゃんは動物っていうか…米。」だそうです。

中学・高校時代はどんな生活だった?

中高6年間、青春をすべて吹奏楽に捧げました。大げさじゃなくて(笑)
私は福島県出身です。中高とも公立校でしたが、いわゆる“全国大会常連校”の吹奏楽部に所属していました。田舎には都会と違って誘惑も少ないですから、放課後はもちろん、土日も朝から晩までみっちり練習がありましたし、夏休みは大会シーズン真っ只中なので、遊ぶ暇もなくほぼ毎日練習がありました。10代のエネルギーあってこそですね。そのころは、もちろん全国大会出場、そして金賞受賞を目標に日々練習していました。音程を合わせる、縦を合わせる、音がまっすぐパンと出るようにする、譜面に忠実に完璧に音を並べられるようにする。その精度を高めることで私たちは“勝つ”音楽を作ってきました。(文字面がサイボーグっぽいですが、青春です、青春。)
今振り返ると、中高の吹奏楽はスポーツ的な側面があったかなと思います。音程や縦を揃える練習は成果が目に見えるから「上手くなってる」実感が得やすいですよね。一方、フォイヤーでは「上手い」の基準がそれまでとはまた別のところにあって、それに気付いて挑戦すると、風景や感情を表現できるようになったり、他の楽器とのアンサンブルを楽しめるようになったりする…こともあるらしいです。ただし、音程悪いと普通に怒られます(笑)

フォイヤーに入ってから今までで変化したことは?

「音色」の概念に出会ったことです。
中高の時も、きれいな音で吹こうとは意識していましたが、それは雑音を出さないようにしようくらいのもので、「音色」と言われても音量の延長線上にあるものと捉えていた気がします。その感覚に一石を投じることになったのが、今思うとあの新歓演奏会のオーボエ協奏曲だったのかもしれません。
最初に壁にぶつかったのは、2年生夏の室内楽シーズン。モーツァルトのフルートカルテットの冒頭になんてことはない2拍に収まるD durのスケールが出てくるんですが、それを聞いたトレーナーの先生が一言、「全部同じに聞こえるなぁ」と。何を言われているのか分からないでいると、「あっという間に通り過ぎるフレーズでも、もっと音一つ一つの音色を考えないとつまらないでしょ?今のはただ音を並べてるだけ。」と。まじか、こんな細かい単位で考えないといけないのかとカルチャーショックを受けて、そのあと一晩中ひたすらD durのスケールをさらいました(笑)
音をボリュームの大小だけでなく、色、温度、重さ、肌触り…といった視点で考えられるようになったのは、フォイヤーでいろいろな刺激を受けて、音楽やそれを紡ぐ「音」自体にじっくり向き合うチャンスをもらえたからだと感謝しています。とはいうものの、私も道のり半ば、先は長いです~(汗)

フォイヤーで、特に印象に残っていることは?

1年生の新歓期に「島ちゃん!行くよ!」と先輩達に渋谷のH&〇に連れていかれて、「島ちゃんなんかパッとしないんだよな~(グサッ)これ試してみて!」と渡されたのが、目が黄色く光っているクロヒョウの頭がドンとプリントされているTシャツ。(こんなの絶対自分では選ばないし、似合うはずがない!!!)一応試着。…あれ?意外と着れる?けっこうイケてるんじゃない?そして、さっそく次の日新歓イベントに着ていきました(笑)
フォイヤーは、音楽に限らず、いろんな世界の扉を開けてくれます!

1週間の生活、どんな感じ?

平日は仕事です。輸入に関わる業務をしています(ざっくり)。
個人練習は主に土日の全体練習の前後か合間ですが、本番前はやっぱり楽器に触っておかないと不安になるのでカラオケに駆け込むことも…。
私、実は社会人団員の中で一二を争う練習参加率の高さで、ほぼ皆勤賞!
…誇らしいやら悲しいやら(笑)