どれす

Cl / 3年 / 女

私は、電車に乗ったときに決して網棚に荷物を置きません。大荷物でも。隣のサラリーマンが嫌な顔をしていてもです。私は今後一切置かないと誓ったのです。

去年の6月、私は初めて乗り番になりました。本当に嬉しくて嬉しくて、親におねだりして、お祝いにドレスを買ってもらうことになりました。なにせ初のドレスです。色も形もいろいろ調べ、お店も3つくらい回ってやっと一着を決めました。そしてドレスを受け取って電車に乗りました。

しかし、私はドレスを買ったという満足感から、それを電車に置きっぱなしにしてしまったのです。そうです。網棚の上です。

バカなことに、私が忘れたことに気づいたのがその2日後。私はドレスを探して、授業も休んでいろいろなところへ行きました。終点の駅や落とし物センター。各駅に電話をかけまくり、交番にも届け出ました。しかし、ドレスは見つからなかったのです。

その時の絶望感は今でも忘れられません。「トウキョウノヒトツメタイ、ワタシジッカニカエリタイ」「ドレスヌスンダヤツコロシタイ」と本当に思いました。

親には、泣きながら電話をして謝りました。親は「バカだねー」と言いながらも「髪だけはきれいにしなさい」と言ってまたお金を入れてくれました。このときほど親に感謝したことはありません。

あれから一年が経とうとしています。

私はこの事件をきっかけに教訓を得ました。

その一、家以外では気を抜くな。家以外にいるときには、戦場にいる気持ちでいなければなりません。気持ちが緩んでいると思わぬところで失敗することがあります。

その二、親に感謝する。実家生!毎日おはよう、いただきます、ありがとう、言ってますか?親がいることを当たり前のことと思ってはいけません。下宿生!一人暮らしをして親の大切さがわかってきた頃でしょう。感謝の気持ちを手紙でもメールでもいいので伝えましょう。

私はこのドレス事件を忘れません。この教訓もまた私の一生の教訓となることでしょう。