削るのはリードだけじゃない。睡眠時間だ。

Yuna Nakagawa

社会人/オーボエ

フォイヤーに入ったきっかけは?

オーボエの先輩が素敵で、一緒に演奏したい…!と思ってフォイヤーを選びました。
楽器の音は綺麗だし、なんだか雰囲気がとっても可愛い人で。入団前から楽器の相談にも乗ってくれたりして、私もあんな風になりたい!っていう憧れだったと思います。

自分はどんな人だと思う?

とても腰が重い…。何かをするまでに、時間がかかります。最近でいうと、スマホを機種変更しよう!と思ってから1年経ってしまいました(最近…?)。

■ 他の団員から見た「ゆうな」

「演奏会直前の女子楽屋は駆け込みサロンと化しています。そこのトップスタイリストはゆうな。開演前の休憩時間、女子団員達の髪を驚異のスピードでセットしています。毎回10人くらいさばいてるんじゃないかな...。ありがたいです。」
(ホルン/社会人/女)

キャラクター、動物に例えると?

ネットでよくある性格診断をした時は、ダンゴムシ、と(笑)

家が遠いと聞いたのですが…?

本当に遠くて、大学まで2時間半以上かかっていました。
大学入学直後に、家から大学までの距離を調べて、何日くらいで日本を縦断できるか計算したんです。
そしたら、16日とかでした。いや、すぐじゃん。そっと画面を閉じました…。
長い長い電車の中では、寝たり、インスタを見たり、YouTubeで動画を見たり、課題をやったり、時には景色を眺めながらぼーっとしたりなんかして、なんとかやり過ごしています。最寄駅が終点なので、絶対に座れることだけが救いです。

学校ではどんなことを勉強してる?(学生時代)

心理学を勉強しています!心理学専攻、というと「へー、じゃあ心読めるの?」などと言われることがよくありますが、全く読めません(笑)
どちらかというと、感覚とか認知なんかに興味があって卒論のテーマも最近定まってきたところです。
レポートが多かったり、休みの日も実験をするために大学に行かないといけなかったりして大変なこともありますが、世界で初めて自分がこの謎に取り組んでいるんだ!と思うとワクワクして、楽しいです。

本番中どんなことを考えて吹いている?

オーボエ1番はソロも多いですし、ソロでなくても常に音が聞こえてしまいますから、「ミスしないように!」って考えています。ミスしないように、というとなんだか守りに入っているように聞こえるかもしれませんが、個人的にはすごく重要なことです!
なぜなら管楽器全体に言えることですが、自分のパートは自分しか吹いていないからなんです(あたりまえ)。もし音が出なかったら?もし違う音を吹いてしまったら?と考え出すと、本当に怖いんです(笑)。
「ミスしないように」というのは、責任を持って自分の楽譜を吹き切る、っていうことだと思っています。管楽器奏者は誰しも、そこにプレッシャーを感じつつも、プライドを持って取り組んでいるんじゃないかなと思います。私は音を出す前に、「今音がちゃんと出るくらいの息の圧力になっているか?」「タンギングの強さはどの程度か?」「ちゃんと楽譜の長さ分音を伸ばせるくらい息を吸ったか?」「指は間違えていないか?」など、必ず毎箇所確認してから音を出します(本当はもっとあります笑)。でも本当は無意識にできるようになりたいんだよなあ…!

あとは、考えてることとは少しズレるかもしれないけど、本番は感情が色々動いてしまうなあと思います。その日の自分の体調、リードの調子、楽器の調子、会場の湿度とか気温とか、ゲネプロでうまくいったかどうかとか、本当にありとあらゆることから影響を受けてます(笑)。これらのことが大体良ければ、緊張もせず、不安もあまりなく楽しめると思うんですけど、逆に何か1つでも不安要素があれば…自分のメンタルとの戦いになります。まあ大体、戦いの方になるかな!?
そういうパターンの時は、「やることやって帰ってこよう」とかって開き直ることでメンタルを保っています。まあ実際、なるようにしかならないと思うんですけどね。本番中、何がきっかけで舞台のみんなのテンションが上がるのかとか、どうしたらお客様が感動してくれるのかとか、そこに自分がどういうふうに貢献してるのかって、入団して何年経ってもまだまだわからないことが多いです。でも例えば、誰かのソロがうまくいって「くぅ〜上手い!本番でそれ出して来んのかよ〜!!」とか、「さっきまで下手くそだったくせに今最高のやつ持ってくるじゃん〜!」とか思ったりして、それに感化されたりすることはあります。

楽器以外の趣味はある?

ミュージカルを見るのが好きです!お顔の良い人たちが舞台上で歌って踊って、好きになるに決まってると思いませんか!?(何を言ってるんだ)
というのは半分冗談だとしても、台詞にメロディがついてる、「言葉を音に乗せる」って素敵じゃありません?何かを伝えたいから音楽ってあるんだなぁとかしみじみ思っちゃったりします(笑)。
と、ここまでだけよむとチョットサムイですが(笑)、歌と楽器を吹くことって少し通じることもあると思うんです。推しの歌を聴きながら「その音にビブラートかけるの天才」とか、「その音の抜き方天才」「そもそも歌声が天才」とか思って、自分もやってみよー!ってなったりします。多分私は変態です。

これはフォイヤーならでは、と思うことは?

「良い」のコンボが演奏中に起こること、それを面白がってみんなでやれること、じゃないかなと思います!
本番中考えてることでも書きましたが、誰かの演奏に感化されて、自分も「良いやつ」とか「今まで出したことなかった手札」を出してみたり。これが「良い」のコンボかな?って勝手に思っています。太鼓の達人でも、コンボが続くほど高得点に繋がるじゃないですか。多分そんな感じです!!
そしてそれを舞台上のみんなでやれることが最大の魅力だと私は思っていて。学生と社会人とか、アマチュアとプロとかっていう立場も超えて、なんなら舞台上で座ってる位置も超えて、ただ面白がってやるみたいな。
エキストラで乗ってくださったプロの方と、ゲネプロと本番の間でホールのエレベーターに乗り合わせた事があったんですが、その時に「オーボエの方だよね?ブラボー!!本番よろしくお願いします」と言って握手していただいたことがあったんです。その「本番よろしく」っていう言葉が、一緒に舞台に乗って一緒に作る仲間に向けた言葉みたいに感じられて、凄く嬉しかったんですよね。凄くありがたいし、そうあれるように日々邁進せねば、と思います。

今後の目標は?

個人的な目標として、「音を客席の最後列まで飛ばす」があります!
前述の通り、ミュージカルが好きでよく見るんですけど、見ながら歌が上手い人ってなにが上手いんだろう?って考えたことがあって。一つに、音を届けるのが上手いんじゃないかなあと私は思いました。舞台上の役者さんと客席の自分という関係を考えたときに、舞台上で歌が完結してるよりも、客席まで飛んでくる方が楽しいなって!
だから私も、自分の周りだけで完結する音じゃなくて、客席にも届く音で吹きたいなって思い出します。

1週間の生活、どんな感じ?(学生時代)

授業は週10コマくらい。空いた時間で課題や実験をやります。
バイトは塾と、スイミングスクールの受付をやっていて、合わせて週2〜4くらい。楽器は家でさらっています。